アララットの物語
The Story of Ararat
アララトは、単なる絨毯ブランドではありません。それは、失われつつある伝統を未来へとつなぐための試みであり、時間の中に埋もれかけた価値を、もう一度現在へと引き戻すための活動です。
かつて、オリエンタルラグは日常の中に自然に存在していました。それは芸術である以前に、人々の暮らしそのものであり、素材、技術、文化、そして記憶が織り込まれたものでした。
しかし現代において、大量生産と効率化の流れの中で、その多くが静かに姿を消していきました。
失われゆく技術を受け継ぐこと
私たちは長年、自然素材で絨毯を生産していた工房とともに歩んできました。しかし、そうした工房が次第に消えていく中で、その技術と知識を守るため、私たちは自ら生産を担う決断をしました。
各地に散らばっていた熟練の織り手、染色技術、素材の知識、そして織機の技術を一つに集め、私たちは「自然な絨毯づくり」の系譜を受け継ぎました。
アナトリアから世界へ
現在、私たちはマラティヤを拠点に、アナトリア各地の工房と連携しながら制作を行っています。それぞれの地域に根付いた技術を尊重しながら、一枚一枚のラグが丁寧に織り上げられています。
それは単なる生産体制ではなく、土地ごとの記憶と経験を守りながら、現代にふさわしいかたちで継続していくための方法でもあります。
自然から始まるラグ
私たちのラグは、すべて自然素材から始まります。羊の毛を刈り、洗い、紡ぎ、植物や根から染料を得て、長い時間をかけて色を生み出します。
そして数ヶ月にわたる手仕事の末に、それぞれの文様が織機の上で形となり、唯一無二の一枚へと結実します。
それは、単なる製品ではなく、時間と人の手が積み重なった「記録」のような存在です。
品質を守るという選択
私たちは、卸売中心だったこの業界の在り方を見直し、より少ない量であっても、より高い品質のものを、直接お客様へ届けることを選びました。
コストを抑えるために品質を下げることはしません。天然染料を惜しまず使い、時間をかけてでも、本来あるべき姿のラグを作り続けます。
暮らしの中で生きるラグ
東京やイスタンブールのショールーム、そしてオンラインを通じて、私たちはこの世界を少しずつ広げています。
ラグは、特別なものではなく、日常の中に静かに存在するものです。そしてその一枚が、空間に深みと時間をもたらし、日々の暮らしに価値を加えていくと、私たちは信じています。
まだ語り尽くせない物語があります。そして私たちは、それらすべてを守り続けていくつもりです。