オーバーサイズ・ラグ

イントロダクション

オーバーサイズ・ラグとは、幅または長さが6メートルを超える絨毯を指します。制作には特別な大型織機と豊富な経験が必要で、伝統と現代の象徴を織り込んだ複雑なデザインが、何十万もの結びによって一枚の壮大な作品へと結実します。Ararat Rugs の大判ラグは、世界最大級の織機で一枚仕立てに織られ、自然素材と伝統技法を厳格に守りながら生み出されています。

イントロダクション 写真:Ararat Rugs の展示会と訪問風景
写真:国連大学学長デイヴィッド・マローン氏と Ararat Rugs
大判ラグの魅力

オーバーサイズ・ラグ

歴史を通じて、大型の絨毯工房は宮殿や政府機関に付属し、新しい宮殿、モスク、贈答用の作品などを絶えず織り続けてきました。セルジューク、マムルーク、サファヴィー、ムガル、オスマンの各工房はその代表例です。そこではコストよりも、建築と権威にふさわしい壮大な作品をつくることが優先されていました。

オーバーサイズ・ラグは、単に大きいだけではなく、空間そのものを歴史の一部へ変える力を持っています。伝統と現代の橋をかける存在として、大判ラグは今日も特別な価値を保っています。

写真:Ararat Studios の大型織機と職人の仕事
制作設備

織機

オーバーサイズ・ラグの制作には、特別に設計された巨大な織機が必要です。十分な採光と通気を備えた広い作業空間も欠かせません。織機がたわまず、張力を均一に保てることは、完成するラグの品質を大きく左右します。

Ararat Rugs では、100平方メートルを超えるラグにも対応できる設備を整えています。巨大なラグを織り機から外し、次の工程へ移すための動線まで含めて、工房全体が設計されているのです。

写真:Ararat Rugs における経糸張り
準備工程

経糸張り

絨毯を織り始める前には、注文寸法とデザインに合わせて織機へ正確に経糸を張る必要があります。特にオーバーサイズ・ラグでは、この工程が作品の品質と耐久性を左右します。張力を十分に保ち、織りの途中で狂いが生じないよう整えるには、高度な経験と長い時間が必要です。

たとえば45平方メートルのラグを制作する場合でも、経糸張りには約55キロメートルもの糸が必要になることがあります。この段階だけでも、大作ならではの桁違いのスケールが見えてきます。

写真:Ararat Rugs の特別設計ダスティング機
仕上げ工程

洗い

50平方メートル級のラグの織りには、天候や職人の状況にもよりますが、およそ250〜300日が必要です。その後に待っている仕上げ工程の中でも、洗いは特に重要です。乾いた状態で100〜120kgのラグは、水を含むと8〜10倍の重さとなり、1トンを超えることもあります。

したがって、洗浄と自然乾燥には特別な設備、十分な空間、そして綿密な計画が必要です。大作を安全に仕上げて納品するには、チーム、機材、工程管理のすべてが揃っていなければなりません。

写真:Ararat Rugs における焼き工程
最終仕上げ

ダスティングと焼き

オーバーサイズ・ラグの仕上げでは、ダスティングや焼きの工程も不可欠です。私たちは自然素材でつくった木製ドラム機構を用い、羊毛本来の光沢を整えながら埃を落とします。また、天然羊毛は燃えにくい素材であり、薬品を使わず自然由来の色を活かしたまま、焼きの工程で裏面の毛羽を抑え、最終形を整えていきます。

巨大なラグに対してこうした工程を施すには、広大で管理の行き届いた空間と、経験豊かな専門チームが必要です。オーバーサイズ・ラグは、最後の仕上げに至るまで特別な作品なのです。